経験者採用は、なぜ組織を疲弊させるのか?~「選べない採用」が生む悪循環~

Noppo社労士事務所の養父です。

「未経験者は育てにくいから」「即戦力がほしいから」
そう言って、経験者にこだわった採用をしていませんか?

でも、実はその採用が、組織を静かに蝕んでいるかもしれません。

経験者採用が抱える“見えないリスク”

経験者採用には、

「教育コストがかからない」「すぐに活躍してくれる」

といったメリットがあるように思えます。
しかし同時に、大きな落とし穴があります。

それは、応募者の母集団が極端に減ってしまうこと。

資格要件、経験要件、語学力・・・
条件を積み上げれば積み上げるほど、応募数は絞られ、
「1人しか応募がなかったから」「この人が一番マシだったから」
という理由での採用が発生します。

そして、案の定ミスマッチが起こる。
上司も同僚も疲弊し、最後にはその人も去っていく。
残るのは、何も生み出されなかった数ヶ月と、関係性のダメージだけ。

これは決してレアケースではありません。

経営者が認識すべき重要公式

「経験知×仕事力(人間力)=生産性(現在の仕事の質)」
 ※出典 『採るべき人×採ってはいけない人 第2版』 奥山典昭氏

私たちが本当に求めているのは、
「経験がある人」ではなく「質的に成果を出せる人」のはずです。

ではその“質的生産性”は何で決まるのか?

経験知  ×  仕事力

この「掛け算」です。

いくら経験や知識が豊富でも、仕事力が低ければ活かせない。
むしろ、組織に負の影響すら及ぼしかねません。

多くの人は、この掛け算を足し算と認識しています。

その結果、「この経歴があれば、この業務の対応はできるだろう」と考えて、採用してしまう…。

そのときに思い出してもらいたいのは、掛け算であるということ。

いくら経験知を持っていても仕事力が低ければ、その経験知は活かせない。経験知を見込んで任せた作業さえも、望む通りにこなせず、無効化してしまうのです。

未経験者歓迎は「選べる採用」を実現する鍵

そこで重要になるのが、未経験者を受け入れる姿勢です。

ここで注意が必要なのは、
未経験者が必ずしも「素直で育てやすい」わけではないということ。
未経験者の中にも、
・変な癖を持つ人
・自己中心的な人
・学ばない人
は当然います。

だからこそ、「未経験者歓迎=妥協」ではなく、
「選べる状態をつくるための間口を広げる」という戦略と捉えるべきです。

見極め力を備えてこそ、未経験者採用は武器になる

間口を広げれば、応募は増えます。
そうすれば、「この人は違うな」と断る勇気も持てる。

ただし、それには前提があります。
「見極める手段」を持っていることです。

仕事力(人間力)を見抜く評価軸、行動特性を見る仕組み、
それらがあってこそ、未経験採用は効果を発揮します。

まとめ~「選べない採用」を、終わらせましょう

「経験者なら安心」「未経験者は手間が掛かる」

 そう思い込んでいる限り、採用はずっと苦しいままです。

本当に必要なのは、“人を選べる状態”をつくること。

その第一歩が、
「未経験でもOK」と言える間口の広さであり、
「仕事力(人間力)を見抜く手段を持つこと」です。

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