「雇ってみなければ分からない」という言葉を深掘りしてみましょう

「雇ってみなければ分からない」
この言葉、一体、何度経営者から聞いたか分かりません。

よくよく考えると、この言葉は「雇ったあとにその人の本当の姿が見えた」というだけの話なんですよね。

つまり、採用の場面では応募者の「本当の姿」が見えていないということです。
もし採用前に、その人の「雇ったあとに分かるプロセス」を再現できたとしたら、どうでしょう?
「雇ってみなければ分からない」という言葉そのものが、なくなるはずです。

雇ったあとに分かるのは、履歴書や面接では見えない「行動」です。
実際に「雇ってみて初めて分かった」という話の中身は、大体こういうことです。

・ストレスがかかったときの反応
忙しいとき、想定外のトラブルが起きたときに、踏ん張るのか、それとも逃げるのか。
イライラを他人にぶつけるのか、冷静に処理するのか。
こういう反応は、面接の受け答えでは絶対に見えません。

・曖昧な状況での意思決定
正解がない場面で、自分で考えて動けるのか。
それとも「情報を取りにいくことができず動けない人」なのか。
これも、実際に働いてみなければ分からないと多くの企業が言います。

・周囲との関係性
注意されたときの受け止め方、同僚との距離感、協力し合えるかどうか。
(注意指導をしても「まったく聞く耳をもたない」「言い訳ばかりをする」人、いませんか?)
どんなに人当たりがよさそうに見えても、仕事になると「全く違う顔」を見せる人も少なくありません。

・仕事への姿勢・持続力
最初の3か月(試用期間)だけ頑張る人もいれば、淡々と続ける人もいる。
与えられた範囲しかやらない人もいれば、自分で考えて動こうとする人もいる。
この差が後に大きな差になっていく。

・価値観や責任感
不満や課題に直面したときに、それをどう扱うか。
陰で不満を言うだけの人と、建設的に提案できる人では、組織への影響はまるで違います。

多くの会社は、こうした「雇ってから分かるプロセス」を、採用前には見ていません。
だから、「雇ってみなければ分からない」のです。

でも、本当は違います。
このプロセスは採用前に「観る」ことができます。

・ケーススタディで、判断力や姿勢を浮き彫りにする
・グループワークで、他者との関わり方を観察する
・ロールプレイで、リアルな状況を疑似体験させる
・実務に近いワークサンプルで、行動を引き出す
・その場しのぎではない「行動のクセ」を観る

「言葉」ではなく、「行動を観る仕組み」をいかに設計できるかどうか。
ここに、採用の「精度の差」がはっきりと出ます。

「雇ってみなければ分からない」という言葉の裏には、
「雇う前にちゃんと観ていない」という現実があるのです。

人を見極めるというのは、履歴書を見ることでも、面接で話を聞くことでもなく、
「行動を観ること」です。

見えていないものは、見えるようにするしかない
そして、話していることや書いていること以外の「見えづらいこと」が、応募者の本質をあらわします

「雇ってみなければ分からない」と嘆き続けるだけでは、何も解決はしません。
「理想の組織」「自立型の組織」「健全な組織」はつくれません。

失敗し続ける採用に終止符を打つための「行動を観る仕組み」を、いっしょに整備していきませんか?